金井宣茂さん「日本の実験、全て自分がやる」
ISS長期滞在が決定、インタビューで意欲を示す
2017年11月からの国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在が決まった金井宣茂さん(38)が30日までにインタビューに応じ、「私に求められているのは科学実験。宇宙に上がったときには、日本の実験は全て自分がやる」と意欲を示した。
09年に採用された金井さんは、油井亀美也さん(45)、大西卓哉さん(39)の選抜同期。若田光一さん(52)ら日本実験棟「きぼう」の建設に携わった世代と違い、完成したきぼうをどう使うかが問われる世代だ。
米ヒューストンで訓練を積みながら、きぼうなどで日本が行う科学実験の支援業務を担当してきた金井さん。宇宙飛行士の活動ではロボットアーム操作や船外活動が注目を集めるが、「私の売りは科学実験」と言う。「世界中の宇宙飛行士で、日本の実験を一番よく知っているのは自分。私以上にうまくできる人はいない」と「実験のプロ」を自負し、「ISSが利用のフェーズに入り、自分の強みを発揮できる」と胸を張った。
前職の海上自衛隊では、深海で活躍するダイバーの身体影響や健康管理を研究する潜水医官だった。「何が宇宙医学の分野で最先端なのか、情報をキャッチしながらどんな実験をやるか決めていきたい」と話し、同じ医師出身の先輩飛行士古川聡さん(51)らと協力しながら、将来の宇宙飛行や、老化対策などをはじめ地上の医療にも役立つ実験を模索していくという。
選抜から6年。同期の2人の飛行が先に決まったが、「待たされたという思いはなくて、目の前のことを一つ一つやってきた中で、いつの間にかここに来た」と振り返る。「飛行までの2年も、決して長い時間ではないと思う。やはり、目の前にあることをやっていくしかない」と決意を口にした。