イチロー日米通算1968得点、心に刻まれた偉業


「王さん超え」に感慨、ファンがスタンディング・オベーション

イチロー日米通算1968得点、心に刻まれた偉業

ナショナルズ戦の8回に安打で出塁、後続打者の本塁打で生還し、日米通算1968得点を記録したマーリンズのイチロー(右)=25日、マイアミ(時事)

 イチローが九回に左翼の守備に就くと、球場内の巨大スクリーンに日本プロ野球の通算得点の新記録達成が紹介された。本拠地のファンからスタンディング・オベーション(総立ちの拍手)で祝福され、「僕の心に刻まれる瞬間」とイチロー。感激した面持ちで帽子を取り、グラブを掲げて歓声に応えた。

 記録更新は持ち越しかと思われた八回2死。リアルミュートが安打で出て、イチローに4打席目が回ってきた。右前打でつなぎ、続くエチャバリアが3ラン。記録に並んだ前日は二塁からホームを駆け抜けたが、新記録は思わぬ形。歩いての達成になった。

 記録を塗り替えて、初めて口を開いた。初代王者となった2006年のワールド・ベースボール・クラシックで監督、選手としてともに戦い、「人としてのできが違う。監督についてはそれは揺るぎない」と敬愛する王さん。その人を超えた感慨を「他の人の記録には全然興味ないが、王監督の記録はどんなものでも特別」と表現した。

 日本からは遠いマイアミの地で、大リーグの公式記録には加わらない数字を祝福されたことにも驚かされたという。「チームメートが知っててくれて、おめでとうと言ってくれて。人の気持ちの温かさが何よりもうれしい」。数々の偉業を成し遂げてきた41歳も、改めて喜びをかみしめた。(マイアミ時事)