9歳の及川くん「オールブラックスを見たい」
釜石市がラグビーW杯開催地に、復興の推進力に
ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)の開催地に決まった岩手県釜石市では、スタジアム建設予定地近くの旅館でパブリックビューイングが催され、市民らが決定の喜びを分かち合った。
参加者はスクリーンに映し出される中継映像を静かに見守り、「岩手県釜石市」と読み上げられると、そこから先の発表は大歓声でかき消された。地元のクラブ、釜石シーウェイブスのジュニアチームでプレーする及川勝太くん(9)は「世界の強いチームが来る。オールブラックス(ニュージーランド代表)を見たい」と目を輝かせた。
かつて日本選手権を7連覇した新日鉄釜石の本拠地で、ラグビーが盛んな土地柄。東日本大震災で大きな被害を受け、復興の途上にある。岩手県出身の元日本代表で、経営コンサルタントとして知られる笹田学さん(61)は「19年という『納期』が決まった」と話し、W杯開催を復興推進のきっかけにと期待する。
スタジアムは、津波で壊滅して取り壊された釜石東中学校と鵜住居小学校の跡地に建てられる予定。12開催地の中で唯一会場を持たないまま選ばれた。野田武則市長は「W杯が復興のシンボルになる。スタジアム完成へ全力を尽くす」と決意を述べた。