石川佳純が3冠、際立つ女王の強さ


全日本卓球で、10代の挑戦を退け頂点に立つ

石川佳純が3冠、際立つ女王の強さ

女子シングルスで優勝し、皇后杯を手に笑顔を見せる石川佳純=18日、東京体育館

 女子シングルスの決勝で連覇を決めた瞬間、石川は右の拳を強く握り締めた。混合、ダブルスに続いて頂点に立ち、女子で史上2人目の3冠。「本当に苦しい1週間だった。勝てたことは大きな自信になる」。声を詰まらせながら、こみ上げる喜びをかみしめた。

 先月のワールドツアー、グランプリファイナルで初優勝し、最新の世界ランキングでは自己最高の4位。自らに期待して臨んだ今大会で待っていたのは、打倒石川に燃える若手からの挑戦だった。決勝の森薗以外は全て10代の選手が相手。21歳の石川にとっても、「こんなに向かってこられたのは初めて」という厳しい戦いの連続だった。

 準決勝でも前田美優(福岡・希望が丘高)のフォアに苦しみ、ゲームカウント1-3とリードを許した。だが、石川は「大きな大会でも思った以上のプレーができた。作戦を変更していけば大丈夫」と慌てなかった。サービスの長短や返球の緩急などに変化をつけて、自分のリズムに持ち込み、3ゲームを連取して逆転勝ちした。

 さまざまな石川対策を練ってきた相手をことごとく退けた。指導を受けている陳莉莉コーチは「気持ちが強い人は戦術を切り替えられる。そこが成長してきた」と評した。ライバル福原が欠場した大会で、女王の強さをくっきりと際立たせた。