青学大、異次元の走りで初の箱根駅伝総合V


大会史上初10時間50分切る、2位駒大に約11分の大差

青学大、異次元の走りで初の箱根駅伝総合V

初の総合優勝を決め、ガッツポーズでゴールする青学大アンカーの安藤=3日、東京・大手町

青学大、異次元の走りで初の箱根駅伝総合V

初の総合優勝を果たし、ゴールしたアンカーの安藤(中央)を迎える青学大の選手ら=3日、東京・大手町(代表撮影)

 青学大の勢いは止まらなかった。アンカーの安藤まで独走が続き、大手町で歓喜のゴール。前日の往路に続いて復路も制し、史上初めて10時間50分を切った。2位に11分近い大差の完勝に、原監督は「(選手の)どこにこんな力があるのか」と驚きを隠せなかった。

 往路でつくった約5分の貯金が選手の心に余裕を生み、「復路でも優勝してやる」(9区の藤川主将)と闘志をかき立てる原動力にもなった。山下りの6区では、昨年は失速した村井が区間2位と好走。「前も後ろも気にせず走れた」という小椋の7区からは3区連続区間賞。後続との差は広がり続け、悲願の総合優勝に突き進んだ。

 弱小校に過ぎなかった青学大の監督に原氏が就任したのは2004年。成績が出ず、一時は廃部の危機に立たされたが、09年に33大会ぶりに箱根駅伝に出場して風向きが変わった。選手として箱根を経験していない監督の強みは「固定観念がないこと」。体幹トレーニングなども積極的に取り入れ、5000や1万メートルの記録を伸ばすことに重点を置いた。藤川主将は「優勝は遠いチームだったのが、(練習に)ついていくのが精いっぱいになった。着実に成長していると感じた」と話す。

 出場20度目で悲願をかなえたが、山登りの5区で優勝を大きく引き寄せた神野は3年で、エース区間の2区を走った一色はまだ2年。原監督には「チーム力のピークは来年」との思いがある。