「リスク取れ」「挑戦を」若手研究者を激励
中村・天野教授がスウェーデン王立科学アカデミーで公式会見
2014年のノーベル物理学賞に選ばれた中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)と天野浩名古屋大教授(54)は7日午前(日本時間同日夕)、ストックホルムのスウェーデン王立科学アカデミーで他の受賞予定者とともに公式記者会見を行った。2人は質問に英語で答え、「リスク」「チャレンジ」などの言葉で若手研究者に奮起を促した。
中村さんは、実用化が困難とされた青色発光ダイオード(LED)の研究を続けることができた理由について「あらゆる問題を解決するのが好き。クイズみたいなものだ」と説明。「重要なのはリスクを取ること。若い科学者がリスクを取らなければ、ブレークスルー(突破)はない」と強調した。天野さんも若者へのメッセージとして「人類に貢献するため、挑戦しようとすることが重要だと訴えたい」と述べた。
また、中村さんは「日本人は非常に勤勉で真面目だ。科学において重要なことで、日本では高品質な製品を作っている」と指摘し、日本人のノーベル賞受賞者が増えている背景を分析した。天野さんも「日本の研究者は基礎研究に焦点を当てている。そのことが多くのノーベル賞受賞につながっている」と語った。
2人はスーツに身を包み、中村さんは黄色、天野さんは濃紺のネクタイで登壇。化学賞や経済学賞の受賞予定者とともに、各国報道陣の質問に答えた。授賞式は10日夕(同11日未明)に行われる。
共同受賞する赤崎勇名城大教授(85)は記者会見に出席せず、別の行事に参加した。(ストックホルム時事)