シリア難民、給食の半分は「家で弟妹と」


WFP日本大使でモデルの知花くららさんが報告

シリア難民、給食の半分は「家で弟妹と」

記者会見する国連世界食糧計画(WFP)日本大使、知花くららさん=17日午後、東京・大手町

 国連世界食糧計画(WFP)の日本大使でモデルの知花くららさん(32)は17日、10月末にヨルダン入りして視察したシリア難民キャンプの実情を報告し「キャンプ内の学校で給食を半分しか食べず『残りは家で弟妹と食べる』と言う子供たちがいた」と厳しい食料事情の一端を紹介した。

 東京都内で記者会見し「過激派『イスラム国』が支配するシリア北部から逃げ、前日着いたばかりの家族にも会った。昼は明るい子供たちも夜になると小さな音におびえる」と指摘。イスラム国の支配を目にした子供への影響は小さくない。

 戦闘から逃げてきた難民の体験を聞きながら、那覇出身の知花さんは「沖縄戦を生き抜いた祖父が『ぬちどぅたから(命こそ宝)』と言っていたのを思い出した」と語った。

 シリアの戦闘は終わらない。増え続ける難民・避難民への食料支援は慢性的な資金不足に陥っているが「戦闘終結後のシリアに帰ってからの未来図を子供たちが描けるようになってほしい」と給食を支える支援の継続を世界に訴えた。(時事)