宮崎駿監督が米アカデミー名誉賞を受賞
「鉛筆と紙とフィルムの最後の時代に立ち会え幸せ」
米アカデミー賞名誉賞の授賞式が8日(日本時間9日)、ロサンゼルス・ハリウッドで行われ、アニメ映画監督の宮崎駿さん(73)らにオスカー像が贈呈された。映画界への長年の貢献をたたえる名誉賞を日本人が受賞するのは1990年の黒沢明監督以来24年ぶり2人目。
宮崎監督は2003年に「千と千尋の神隠し」でアカデミー賞の長編アニメ賞に輝いたが、今回は初めてアカデミー賞の授賞式に自ら出席した。
授賞式では、宮崎監督を敬愛する米アニメ界の巨匠ジョン・ラセターさんが登壇し、宮崎監督の功績を紹介。出席者は総立ちで大きな拍手を送った。オスカー像を受け取った宮崎監督は「鉛筆と紙とフィルムの最後の時代に立ち会えたことは幸せだった」と、自らの映画人生を振り返った。
宮崎監督は昨年9月に長編アニメ制作からの引退を表明。授賞式後、「大きなものは無理だが、小さいものはチャンスがあれば、やっていく」と述べ、短編アニメなどの制作に引き続き取り組む意欲を見せた。
今回の受賞については「賞はもらえないと頭にくるが、もらっても幸せにはならない。賞はない方がいい」と笑いながら話した。アカデミー賞作品を選定するアカデミー会員にも招待されたが、受ける考えはないという。(ロサンゼルス時事)