石巻市の農家、「宮城米で元気になって」


広島土砂災害の被災者へ、大震災支援のお礼390キロ

石巻市の農家、「宮城米で元気になって」

宮城県から届いた米を小分けし袋詰めする免出和子さん(右端)ら=1日、広島市佐伯区

 「あの時受けた恩は忘れていない」。東日本大震災で被災した宮城県石巻市の農家が3日までに、土砂災害に襲われた広島市の避難者に宮城米390キロを贈った。受け取ったNPO法人会長の免出和子さん(74)広島市佐伯区は「ありがたい話。早く避難者の元に届けたい」と頬を緩めた。

 宮城米を贈ったのは、石巻市の農家グループ「十日会」。メンバーの斉藤正美さん(59)が、東日本大震災で被災した子供たちに、このNPOから広島名産もみじまんじゅうや復興を願うミサンガが届いたことを覚えており、他の仲間に「あの時のお礼」を呼び掛けた。

 免出さんは当初、避難所での炊き出しに使おうと考えたが、「避難者おのおのの食べ方で味わってほしい」と思い直し、5キロずつ小分けに。届いた米袋に書かれていたメッセージの文面「このお米を食べて元気になってください 宮城県石巻市 十日会」を張り紙にして、作った60袋に貼り付けた。避難所で配る予定で、残り90キロは別の形で避難者に届けるつもりだ。

 斉藤さんは「震災の時の恩返し。おいしい宮城米を食べて元気になってほしい」と語り、免出さんは「石巻の方々の誠意を大切にしたい」と笑顔で語った。