証券界がNISAの普及を目指し若年教育へ
課外授業活用、アニメ起用
少額投資非課税制度(NISA)の普及を目指し、将来の有力な顧客となる若年層の金融知識を強化する取り組みが進んでいる。文部科学省と連携した土曜日の課外授業や、アニメキャラクターを起用したキャンペーンなど、証券界は投資の初心者や予備軍を今から囲い込もうと躍起だ。
日本証券業協会は、文科省が全国の小中学校で実施している土曜学習を活用する方針を決めた。学校側からの要請を受けて、協会の職員や全国の証券会社の支店などの社員を講師として派遣する。稲野和利・日証協会長は、協会が目指すNISAの対象年齢(現行20歳以上)の引き下げと合わせ「若い人たちの金融知識を向上させたい」と意気込む。
野村証券は、アニメ・ゲーム製作のディー・エル・イーと共同で、NISAの仕組みを分かりやすく説明する専用ホームページ「NISAの村」を開設した。人気アニメキャラ「鷹の爪団」と女優の川島海荷さんが登場するアニメを通じ、投資を農業に例えて活用のコツを伝授する内容だ。野村証券は「少しでも多くの若い方にNISAを知り、使ってもらいたい」(担当チーム)考えだ。
SMBC日興証券も、東京証券取引所と共同で、小学校高学年向けの親子イベントを今月22日に開く。サンリオのキャラクター「ポムポムプリン」とともに、株式市場などの仕組みを分かりやすく説明する予定だ。
金融庁によると、NISA口座数は3月末時点で650万を突破。投資額も1兆円を超えるなど順調に拡大しているものの、大半は60歳以上が占め、若い年齢層による利用は伸び悩んでいる。