緑のバラ「コンキュサーレ」はいかが?
愛知の農家開発、希少さが売り
花びらの色や形など、多くの品種があるバラ。「不可能」の代名詞とされた青いバラも作られるようになったが、新たに濃い緑色のバラが登場した。
開発したのは、愛知県豊川市のJAひまわりバラ部会の花卉(かき)農家。交配を重ねて新品種作りを進める中、1本の茎に複数の小ぶりの花が付くスプレー種で、偶然濃い緑色の新種が生まれた。最初に作った部会員の榊原康之さん(57)は「これまでにない色。何十年もバラを作ってきたので、できた時には『これは売れる』と確信した」とか。
榊原さんの長女良枝さん(33)が、「コンキュサーレ」という名前のバラが1本1000円の超高値で売れる夢を見たことから、その名を付けて昨年9月に農水省に品種登録を申請。今春から、主に東京や札幌の市場に向けて本格的に出荷を始めた。他のバラの倍以上の価格で取引されているという。
現在、生産しているのは同部会の農家5軒。農家の支援を担当するJAひまわり花き課の金子創一さんは「希少性が売り。徐々に生産量を増やすが、需要を見極め、過剰にならないよう調整しつつ安定供給を目指したい」と話している。