若田光一飛行士、船長任務完遂「ほっとした」


米ヒューストンで記者会見、国際協力の継続を

若田光一飛行士、船長任務完遂「ほっとした」

若田光一さん

 日本人初の国際宇宙ステーション(ISS)船長を務め、14日に約半年ぶりに帰還した若田光一さん(50)が日本時間の28日、滞在先の米ヒューストンで帰還後初の記者会見を行った。若田さんは「2カ月余り船長を無事に務め、率直に言ってほっとしている。日本のみなさんに期待をかけてもらっていると感じながら仕事ができた」と笑顔で語った。

 会見は東京の宇宙航空研究開発機構事務所とテレビ会議方式でつないで行われた。

 帰還後リハビリを続けている若田さんは「軌道上の運動設備を使わせてもらったので、帰還直後も体力はほとんど変わらなかった」と元気な様子。「和」をテーマに船長を務めたことについて「トラブルはあったが、チームワークの成果で大きな問題に至る前にミッションを進めることができた。一緒に食事をして、仕事から離れて和気あいあいとした時間を過ごせたのも楽しい思い出だ」と振り返った。

 滞在中には、ウクライナ情勢をめぐり米露関係が緊迫。ISSの将来にも懸念が広がった。若田さんは「ISSは世界の英知を結集した計画。後戻りすると失うものは非常に大きい」と強調。「これまで築いた協力関係を大切にして、宇宙分野以外にも波及してほしい」と訴えた。