陸域観測技術衛星「だいち2号」、運用を開始


国土地理院や気象庁、地殻変動や火山活動の観測に活用へ

陸域観測技術衛星「だいち2号」、運用を開始

地球を周回するだいち2号の想像図。2カ月半の機器点検後、国土地理院や気象庁などが地震の地殻変動や火山活動の観測に活用する(宇宙航空研究開発機構提供)

 宇宙航空研究開発機構は27日、鹿児島県・種子島宇宙センターから24日にH2Aロケットで打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち2号」のレーダーや通信アンテナなどの展開が完了し、通常の姿勢で運用を始めたと発表した。搭載機器の機能確認を2カ月半かけて行った後、国土地理院や気象庁などが地震による地殻変動や火山活動の観測に活用する。

 だいち2号は、2006年1月に打ち上げられて東日本大震災後の11年5月に寿命が尽きた1号の後継機。大型の1号は悪天候や夜間でも観測できるレーダーのほか、地形を立体的に撮影できる光学カメラ、赤外線センサーを搭載していたが、中型の2号は高性能レーダーのみ搭載している。

 1号は国内では大震災や新潟県中越沖地震、霧島連山・新燃岳噴火など、海外ではインドネシア・スマトラ島沖地震の余震や中国四川省地震などの際に被災状況把握や震源断層推定に活用された。