JR福知山線脱線事故から9年、再発防止を誓う


JR西日本が尼崎市内で追悼慰霊式、1000人が参列

JR福知山線脱線事故から9年、再発防止を誓う

福知山線脱線事故の追悼慰霊式で、慰霊の言葉を述べる遺族の上田篤史さん=25日午前、兵庫県尼崎市(代表撮影)

 乗客106人と運転士が死亡、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故から9年を迎えた25日、JR西日本主催の追悼慰霊式が兵庫県尼崎市内で営まれた。事故が発生した午前9時18分に合わせ、参列者全員が黙とうをささげ、再発防止を誓った。慰霊式には真鍋精志JR西社長と高木毅国土交通副大臣らが出席。参列者は遺族や負傷者など計約1000人に上った。

 慰霊式では、犠牲になった上田昌毅さん=当時(18)=の弟篤史さん(24)が遺族代表として慰霊の言葉を述べた。篤史さんは「のんびりした性格でとても優しい兄だった」と振り返り、「兄のためにできることは、兄の分まで自分の人生を精いっぱい生きること」と涙を流しながら話した。

 JR西に対しては、「亡くなられた方々の尊い命を無駄にしないために、皆が安心して利用できる安全な会社に早く生まれ変わってほしい」と訴えた。

 真鍋社長も追悼の言葉を述べ、「私どもが奪ってしまったものはあまりにも大きく、ただただおわび申し上げるしかない」と改めて謝罪。「『安全考動計画』の取り組みは2年目に入ったが、引き続き目標をしっかりと見据え、達成に向けて、全力で取り組む」と安全を誓った。