日本芸術院の新会員にちばてつや氏など9人


漫画家の選出は初めて、今回から外部有識者も選出に参加

日本芸術院の新会員にちばてつや氏など9人

日本芸術院の新会員にちばてつや氏など9人

日本芸術院の新会員にちばてつや氏など9人

日本芸術院の新会員にちばてつや氏など9人

日本芸術院の新会員にちばてつや氏など9人

 功績のある芸術家を顕彰する日本芸術院(高階秀爾院長)は22日、新会員に漫画家のつげ義春=本名柘植義春=(84)、ちばてつや=本名千葉徹弥=(83)両氏を含む9人を選んだと発表した。漫画家が選ばれたのは初めて。作家の五木寛之氏(89)、指揮者の小澤征爾氏(86)も選出した。

 今回から「マンガ」「写真・映像」などの分野も対象となった。これまでは現会員が選出してきたが、「閉鎖的」との指摘を受け、文化庁が選んだ外部有識者が候補者の推薦に加わった。文部科学相が3月1日付で発令し、会員数は103人となる。会員は非常勤の国家公務員で、250万円の年金が支給される。

 新会員は次の通り。(敬称略)

 千住 博(せんじゅ・ひろし)日本画家。ニューヨークを拠点に日本画の新しい可能性と表現を確立。21年恩賜賞・日本芸術院賞。東京都出身。64歳。

 宮瀬 富之(みやせ・とみゆき、本名宮瀬富夫=とみお)彫刻家。日展、日本彫刻会を中心に日本の彫刻界の発展に大きく寄与。09年日本芸術院賞。京都府出身。80歳。

 星 弘道(ほし・こうどう)書家。変幻自在な筆線を自己のものとし、作中に表現。書の発展に多大な貢献。12年日本芸術院賞。栃木県出身。77歳。

 伊東 豊雄(いとう・とよお)建築家。先鋭な問題意識をもって新たな建築モデルを提示し、国際的にも極めて高く評価。18年文化功労者、21年旭日重光章。長野県出身。80歳。

 五木 寛之(いつき・ひろゆき)作家。代表作「青春の門」などで若い人々の共感を獲得、現代日本を代表するベストセラー作家に。歴史や仏教を題材にした紀行文、随筆でも多くの人の心をつかむ。67年直木賞。福岡県出身。89歳。

 ちば てつや(本名千葉徹弥)漫画家。「あしたのジョー」で主人公が「真っ白になる」までを描き切り、同時代の若者文化を代表する作品に高める。12年旭日小綬章、14年文化功労者。東京都出身。83歳。

 つげ 義春(本名柘植義春=つげ・よしはる)漫画家。60年代後半に「ガロ」誌上に発表した短編作品群以降、人間存在の不条理や世界からの疎外が垣間見える表現で、美術と文学の世界からも高い評価を集める。東京都出身。84歳。

 野村 万作(のむら・まんさく、本名野村二朗=じろう)狂言師。六世野村万蔵の次男で、3歳で初舞台を踏む。07年人間国宝に認定。12年旭日小綬章、15年文化功労者。東京都出身。90歳。

 小澤 征爾(おざわ・せいじ)指揮者。若くして世界的な評価を得て、ボストン交響楽団、ウィーン国立歌劇場などで音楽監督を歴任。若手音楽家の育成にも尽力。08年文化勲章。旧満州出身。86歳。