アイスホッケー女子、次代へつなぐ初のステージ


強豪フィンランドの壁は高く完敗、ソチからの成長を示す

アイスホッケー女子、次代へつなぐ初のステージ

アイスホッケー女子準々決勝のフィンランド戦で攻め込む志賀紅(右)=12日、北京(時事)

 大沢主将の目から涙があふれた。「もっと試合がしたかった。もう一回、このメンバーで戦いたかった」。初めて準々決勝に臨んだ日本女子は、想像以上に高かった強豪の壁にはじき返された。

 前回を含めて3度銅メダルのフィンランドは、これまで対戦してきた1次リーグの相手とはすべての面で段違いだった。開始直後からスピードで圧倒されて2失点し、その後も猛攻にさらされた。飯塚監督は「雰囲気にのまれたことはない。相手が実力通りの力を出してきた」。静かに結果を受け入れるしかなかった。

 完敗の中にも光はあった。チーム唯一の得点を挙げたのは20歳志賀紅だった。39歳のFW久保は「これからもっとエースとしてやってほしいし、他の選手も続いてほしい」と思いを託す。次代の主力と期待された志賀紅も「人より努力して練習をしていかないといけないと強く感じている」と覚悟を示す。

 全敗した前々回のソチ五輪から4年ごとに成長し、次代に引き継げる結果は残した。「すごく上を目指せるチームだったと思う。思いや積み重ねてきたものをしっかり表現できた」。3大会でチームを引っ張った主将の涙には、すがすがしさもあった。(時事)