台湾の蔡英文総統、ソマリランド「外相」と会談
アフリカの半独立地域、「自由と民主主義の価値観を共有」
台湾の蔡英文総統は9日、アフリカのソマリア北部で半独立状態を続ける「ソマリランド共和国」の「外相」に当たるエッセ・カイド氏と総統府で会談した。ソマリランドは比較的治安が安定しているとされる。双方は「自由と民主主義の価値観を共有している」(蔡総統)との認識で一致し、関係を深化させていくことを確認した。
ソマリランドは1991年に一方的に独立を宣言した。しかし、日本を含め国際的な国家承認は進んでいない。台湾とも正式な外交関係はないが、2020年に互いに代表機関を開設。中国の圧力で台湾と外交関係を結ぶ国が減る中、蔡政権はアフリカで唯一外交関係を持つエスワティニに続く外交拠点として、ソマリランドを重視している。
蔡総統は会談で「新しい友人から親しい友人になった」と外相の初訪台を歓迎。経済や防疫などあらゆる分野で協力を促進していく考えを伝えた。
中国外務省の趙立堅副報道局長は9日の記者会見で「(台湾)民進党当局は自ら(中国大陸との)分裂を企てるだけでなく、他国の独立や統一を破壊している」と批判した。中国は台湾とソマリランドの公的交流に強く反対している。(台北時事)