日・北欧折衷「ジャパンディ」が欧州で人気


静けさとシンプルな美しさが融合、住宅内装に旋風起こす

日・北欧折衷「ジャパンディ」が欧州で人気

日本と北欧の折衷スタイル「ジャパンディ」を意識した部屋の一例(英家具会社DFS提供)(時事)

 日本と北欧のデザインや様式を取り入れ、折衷させた住宅のインテリアが欧州で注目を集めている。「ジャパニーズ」と北欧風を意味する「スカンディ」を掛け合わせた造語「ジャパンディ」も消費者に浸透。日本の禅に通じる静けさと北欧のシンプルな美しさの融合が人気の秘密のようだ。

 英住宅会社ミラーホームズは昨年11月、ソーシャルメディア上でインテリアに関する言葉の検索数の伸びを分析した調査結果を公表。それによると、「ジャパンディの寝室」が1年前に比べて約7900%増加して1位となった。

 同社は「住宅所有者に旋風を巻き起こしている新たな流行だ」と強調。「不完全なものを受け入れる日本の『わびさび』と、喜びを受け入れるデンマークの『ヒュッゲ』(居心地の良さ)という二つの前向きな哲学を融合させたものだ」と分析した。

 「ジャパンディ」という概念自体は新しいものではなく、数年前から徐々に世界に浸透してきた。英国では20年秋にロンドン中心部ナイツブリッジに日本と北欧の融合を掲げたレストランやカフェ、店舗などが入る商業施設「パンテクニコン」がオープンし、若者を中心に人気となっていることが今回の流行の背景にあるとみられる。

 英紙タイムズは「過度な装飾に飽き飽きしている人にぴったりのお口直しだ」と指摘。米CNNテレビも「世界中の家に登場し、デザイン愛好家の関心を集めている」と伝えるなど、海外メディアもこの動きを取り上げている。(ロンドン時事)