バドミントン奥原希望、苦しい1年締めくくるV
復帰戦飾る日本一、2ゲームとも10点差をつける快勝
5度目の日本一で1年を締めくくった奥原は「練習が十分でなく不安だったが、ここまでたどり着けた」と達成感をにじませた。東京五輪以来、5カ月ぶりの大会出場で、けがからの復活を告げる優勝。万全な状態ではない中で貫禄を示した。
女子シングルス決勝は2ゲームとも10点差をつける快勝。水井が得意とするスマッシュを封じるコースに配球した上で、多彩なショットで相手の返球の反応を遅らせ、ラリーの主導権を握った。「試合への気持ち、進め方の違いを水井選手に感じてもらえたのかな」。ブランク明けでも鈍らない打球の正確性、試合運びの巧みさを見せつけた。
今年前半は東京五輪の開催可否の動向に揺れ、やっと迎えた本番では8強どまりで前回の銅メダルを超えられなかった。秋には右足首を痛めて手術を受け、埼玉・大宮東高時代の恩師、大高史夫さんの死にも直面。「苦しかった日々の方が多かったんじゃないか。葛藤していた1年」が実感だ。
2024年のパリ五輪へスタートを切れた感覚はまだない。ただ、同じ会場だった五輪で味わった悔しさは「これからのエネルギーになる」。きっぱりと口にし、東京で開催される来年の世界選手権を次の目標に掲げた。