コロナワクチンの電子接種証明が20日スタート


出入国手続きで利用可能に、政府は誤記録の修正を急ぐ

コロナワクチンの電子接種証明が20日スタート

20日に運用がスタートする新型コロナワクチン接種証明書の電子版=13日午後、東京都千代田区

 政府は13日、新型コロナウイルスワクチンの接種を公的に証明する「新型コロナワクチン接種証明書」電子版の詳細を発表した。利用者はスマートフォンに専用アプリをインストールし、マイナンバーカードによる本人確認を経て証明書を取得する。国内外の出入国手続きなどで利用できるようになる。20日に運用を始める。

 政府は書面版も含めた証明書の利用を促し、感染が拡大した場合でも経済社会活動の自粛を最小限にとどめたい考え。ただ、「ワクチン接種記録システム(VRS)」に保存された接種記録の一部に誤りがあることが分かり、政府は自治体に訂正を急ぐよう呼び掛けている。

 アプリはiPhone(アイフォーン)向けとアンドロイド向けの2種類。証明書は日本用と海外用があり、氏名、生年月日、ワクチンの種類、接種年月日などが記載される。アプリを起動すれば表示でき、76カ国・地域(13日時点)での入国手続きに利用可能。飲食店やイベント会場に入る際にも接種を簡単に証明できるようになる。

 デジタル庁によると、VRSのデータ約1億件のうち、ワクチン名や接種日などの誤りが判明したのは約16万件。約500万件も正しいかどうかの確認が必要としており、最終的に100万件前後で修正が必要とみている。

 松野博一官房長官は13日の記者会見で「多くの方には問題なくアプリを使ってもらえる。記録に誤りがある場合は自治体でしっかり訂正作業を進めている」と説明した。運用開始後は本人からの申請による修正にも応じる。一部の自治体では個人情報の利用に必要な手続きが間に合わず、運用開始が遅れる可能性がある。