マイケル・ギザエ、「日本のふるさと」で快走


35キロで仕掛け逃げ切り、最後の福岡国際に名を刻む

マイケル・ギザエ、「日本のふるさと」で快走

初優勝したマイケル・ギザエ=5日、福岡・平和台陸上競技場

マイケル・ギザエ、「日本のふるさと」で快走

優勝したマイケル・ギザエ(左)と握手するスズキACの藤原新監督
=5日、福岡市の平和台陸上競技場(代表撮影)

 福岡第一高の留学生として育ったギザエが、縁のある地で快走した。両手人さし指を突き上げながらゴールテープを切り、「難しいコンディションだったが、安定した走りを心掛けた」と笑顔。昨年4位に入った際の自己ベストを26秒更新した27歳は、素直に喜んだ。

 2時間5分台も狙える1キロ2分58秒というハイペースの設定下、中盤までは先頭集団の中で冷静に体力を温存した。レースが動いたのは、ペースメーカーが離れた後の35キロ付近。早めに仕掛けたギザエは高久らを引き離すと、終盤は苦しみながらも何とか逃げ切った。

 マラソン王国のケニア出身。高校時代を過ごした福岡は「日本のふるさと。大好き」と思い入れが強い。この日で幕を閉じた福岡国際に名を刻んだ。「最後の福岡で優勝できた。将来、子供に伝えることができる」と胸を張り、感慨に浸った。

 所属するスズキACの藤原新監督は「3年前は決して強い選手ではなかった。調整段階でも気弱になることがあったが、今回は本当に自信を持って臨めた」と成長に目を細める。激しいケニア代表争いに食い込むための、貴重な一歩にもなった。