川崎重工が開発、山小屋物資輸送で無人機活用


長野県伊那市から委託、将来は離島や林業関係での活用も

川崎重工が開発、山小屋物資輸送で無人機活用

川崎重工業が開発した無人VTOL機の前で撮影に応じる同社の石田正俊執行役員(左)と長野県伊那市の白鳥孝市長=1日午前、同市

 川崎重工業は1日、長野県伊那市から委託を受け、無人のVTOL(垂直離着陸)機を活用して中央・南アルプスの山小屋に食料品などの物資を輸送するプロジェクトの詳細を発表した。10月に飛行ルートの設定に必要な調査を開始。効率的で持続可能な輸送の仕組みを構築し、将来は離島や林業関係などでの活用も検討する。

 プロジェクトでは、中央アルプスと南アルプスで第三セクターの伊那市観光(伊那市)が運営する山小屋への輸送を計画している。現在はヘリコプターで輸送しているが、パイロット不足などで機体確保が難しくなっており、早期実現を図りたい考えだ。

 垂直離着陸機は、川崎重工が開発中の「K-RACER」を使う。100キロ以上の重さの荷物を運ぶことができ、継続航行距離も100キロを超える。2021、22年度に飛行ルートの設定を行い、23年度に実際に物資を輸送する実証を行う。