エジプト、古代模したパレードで繁栄を再現


南部ルクソールで、3000年以上前の参道修復を祝う

エジプト、古代模したパレードで繁栄を再現

修復された「スフィンクス参道」から見たルクソール神殿=25日、エジプト南部ルクソール(時事)

 古代エジプトの都が置かれた南部ルクソールで25日夜(日本時間26日未明)、ナイル川東岸にある観光名所のカルナック神殿とルクソール神殿を結ぶ全長約2・7キロの参道の修復を祝うパレードが行われた。シシ大統領らが見守る中、古代文明をイメージした山車や衣装を着た人々が参道を練り歩き、隆盛を極めた当時の栄華が再現された。

 復元されたのは、古代エジプトの国家神の守護とされる雄羊などの頭部を持つ像が両脇に1000体以上並んでいた「スフィンクス参道」。3000年以上前の新王国時代以降に造られ、一部は発掘後に公開。だが、大半は長年の風化や開発などの影響で損壊していた。

 この日は、かつてナイル川の氾濫時期に合わせて開かれた祝祭事の様子を再現。音楽や踊りに加え、神殿の上空では盛大な花火も打ち上げられた。

 エジプト政府は新型コロナウイルス感染拡大で勢いを失った観光業復活のため、外国人観光客にも人気がある遺跡や歴史を生かした振興策に注力しており、今回のイベントもその一環。来年には首都カイロ近郊ギザで日本も建設を支援中の「大エジプト博物館」の開館なども予定されている。(ルクソール時事)