世界初、環境に優しい合成燃料で飛行する航空機
英空軍が開発「イカルスC42」、軍隊の脱炭素化に一歩
英空軍が温室効果ガスの排出量を劇的に削減する「合成燃料」のみを使って航空機の飛行に成功した。合成燃料での飛行は世界初で、ギネス世界記録に認定された。温室ガスを大量に出す軍隊の温暖化対策は大きな課題となっており、脱炭素化に向けた一歩となりそうだ。
英空軍の21日までの発表によると、小型機「イカルスC42」が2日、21分間の飛行に成功。合成燃料は二酸化炭素(CO2)と水素を原料に造られ、1回の飛行で従来の燃料に比べて温室ガスの排出を約90%削減できるという。
英北部グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で「脱化石燃料」の方向性が示されるなど、世界的に気候変動対策が進んでいる。そんな中、環境NGOは取り組みが遅れる軍隊の脱炭素化を求めている。
環境NGOによると、米軍から排出される温室ガスはポルトガル一国の排出量とほぼ同じとされる。英空軍は2040年までの脱炭素化を目標に掲げている。(ロンドン時事)