独ベラルーシ首脳、移民問題で電話会談


中東の移民がポーランド国境に押し寄せる、対策を協議

独ベラルーシ首脳、移民問題で電話会談

メルケル首相(EPA時事)

独ベラルーシ首脳、移民問題で電話会談

ルカシェンコ大統領(AFP時事)

独ベラルーシ首脳、移民問題で電話会談

11日、ベラルーシ西部のポーランド国境近くで、食料を求めて殺到する移民たち(EPA時事)

 ベラルーシのルカシェンコ大統領とドイツのメルケル首相が15日、電話会談し、ベラルーシ経由で中東の移民がポーランド国境などに押し寄せている問題について協議した。ベラルーシ大統領府が発表した。

 8日にポーランド国境に移民が大挙して集まり、緊張が高まって以降、両首脳の電話会談は初めて。約50分の会談では、ベラルーシに隣接するポーランド、ラトビア、リトアニアとの国境における移民の状況を協議。「状況悪化を防ぐため、移民問題の解決法と見通しについて詳細な言及があった」という。両首脳は移民に対する「人道的支援」も話し合った。

 ベラルーシは欧州連合(EU)の制裁に反発して移民を送り込んでいるとみられている。ベラルーシの後ろ盾のロシアのプーチン大統領はメルケル氏に対し、ルカシェンコ氏と直接問題を協議すべきだとの立場を示していた。移民の多くはドイツを目指しているとみられ、ドイツでは2015年に移民や難民が殺到した事態の再来への懸念が強まっている。

 電話会談の実現は一定の緊張緩和につながる可能性がある。一方でEU加盟国は15日の外相理事会で、対ベラルーシ制裁の拡大を決めており、事態がすんなりと沈静化するかは不透明だ。(モスクワ時事)