寝台特急「あけぼの」、最後の旅路
上野-青森を44年結ぶ、老朽化・乗客減で定期運行終了
東京・上野と青森間を結んできた寝台特急「あけぼの」が、春のダイヤ改正で定期運行を終えることになり、14日午後6時半前、最後の上り列車が青森駅を出発した。下り列車も同日午後9時16分、上野駅をたった。
あけぼのは羽越線など日本海側経由で、上野-青森間を約12時間半かけて結ぶ寝台特急。「ブルートレイン」と呼ばれる青い車体の10両編成で、1970年10月に定期列車として運行を始めた。最盛期には1日3往復していたが、客車の老朽化や乗客の減少などで44年間の歴史に幕を閉じる。今後は連休時などに臨時列車として運行する予定。
上り、下りとも最終列車の特急券(各221席)は、予約開始後あっという間に売り切れ、青森駅や上野駅には最終列車を見届けようと、多くの鉄道ファンらが集まった。
青森駅のホームには「ありがとう!」と書かれた横断幕が掲げられ、ねぶたばやしが響く中、最終列車が出発した。
千葉県船橋市在住で青森県出身の主婦三戸明子さん(70)は「寂しい。帰省でよく利用した。あけぼのは一人でも安心して乗車できた」と振り返った。最終列車に乗車した京都市の会社員栗山博之さん(49)は「車内の静寂の時間はストレス解消になったのに」と残念そうな様子だった。
あけぼのの引退により、定期運行を続ける寝台特急は上野-札幌間の北斗星など4本のみとなった。