ベトナム・ハノイ、初の都市鉄道が開業


着工から10年、用地収用作業が難航、渋滞緩和に期待

ベトナム・ハノイ、初の都市鉄道が開業

6日開業し、乗客を乗せてハノイのカットリン駅に到着したベトナム初の都市鉄道(時事)


 
 ベトナムの首都ハノイで、同国初となる都市鉄道が6日、開業した。市街地のドンダー区カットリンと郊外のハドン区を結ぶ路線で、全長13キロを最高時速80キロで運行。中国の政府開発援助(ODA)資金を活用し、2011年に着工したが、用地収用作業の難航などでたびたび遅れが生じ、運行開始まで約10年かかった。

 ハノイ市当局は6日から15日間、運賃を無料とし、市民に新しい交通手段に親しんでもらうとしている。ハドン行きの電車に乗ったホアンさん(31)は「とても乗り心地が良く、駅の近隣住民に便利だ」と、興奮気味に話した。友人と乗車したビエンさん(24)は、「もっと路線を増やしてほしい。そうなれば、道路の渋滞緩和にもつながる」と期待を込めた。

 ベトナムでは、南部のホーチミン市でも都市鉄道プロジェクトが進んでいる。市中心部の1区と郊外のスオイティエンを結ぶ1号線には、日本が円借款を供与。日本企業を中心としたプロジェクトで、早期の開業を目指している。(ハノイ時事)