男子フィギュアの宇野昌磨、競争激化を歓迎
4回転5本盛り込む構成に、ルッツにらみ「限界に挑戦」
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ初戦、スケートアメリカの男子で、宇野昌磨(トヨタ自動車)が2位に入った。ジャンプの高難度化が進む中、フリーは4回転を5本盛り込む構成で挑んだ。
このプログラムを練習で成功させる確率は5割ほど。試合前から「できてもそれは偶然」と話し、まだ満足のいくレベルには達していなかった。実際に冒頭のループでいきなり手をつくなどジャンプのミスが目立った。
今回の内容を上回る構成を採用する選手の出現は、自身が「スケート人生を終えるまでないかな、と思っていた」。ところが今大会では、世界選手権3連覇中のネーサン・チェン(米国)が、不発に終わったものの4回転6本に挑戦。優勝したビンセント・ゾウ(同)は4回転を5本跳ぶプログラムを披露した。
こんな状況に宇野は、「どんどんレベルが上がっているのはすごく、素直にうれしい」。闘争心に火が付いたようだ。
4回転ルッツを跳ばない宇野だが、「それをどうしていくかというのは、たとえシーズン中でも考えていきたい」と前向きに話す。目指すのはあくまで世界のトップ。「経験上、自分の限界を引き伸ばしていく練習が合っているし、好き」と、自らの可能性を確信している。(ロサンゼルス時事)