金融庁、サイバー攻撃対応で金融機関と演習


最多150社が参加、初動対応や被害軽減策などを検証へ

金融庁、サイバー攻撃対応で金融機関と演習

金融庁と金融機関150社によるサイバー攻撃対応の演習=20日午後、東京都千代田区

 金融庁は20日、銀行や証券会社、保険会社などの金融機関とサイバー攻撃に対応するための演習を開始した。参加金融機関はこれまでで最多の約150社。27日まで実施し、新型コロナウイルス感染拡大で普及したテレワークでの初動対応や被害軽減策などを検証する。

 演習は2016年から毎年開催し、今回が6回目。不正アクセスや顧客情報漏えいなどのシナリオに沿って、各金融機関がテレワーク環境で状況分析やシステム維持に取り組み、その過程を金融庁が確認する。預金を取り扱う銀行については、経営陣の判断や対応も点検する。

 金融庁の担当幹部は演習の冒頭、「世界各国で大規模なサイバー攻撃が発生し、攻撃手法は一層高度化・複雑化している」と述べ、国内の対応強化を課題に挙げた。今回は信用金庫や信用組合、キャッシュレス送金・決済事業を担う資金移動業者の参加が多く、同庁はシステム投資や体制整備が課題とされる中小事業者の対応力向上につなげたい考えだ。