キハ07形気動車など7件、重要文化財に


文化審が文科相に答申、初の国営乗り合いバスも指定へ

キハ07形気動車など7件、重要文化財に

重要文化財に指定される昭和初期の機械式気動車「キハ07形41号」(文化庁提供)

 文化審議会(佐藤信会長)は15日、昭和初期に製造された旅客用の機械式気動車「キハ07形41号」や、初の国営乗り合いバスなど7件を重要文化財に指定するよう文部科学相に答申した。

 キハ07形41号は、旧鉄道省の発注で1937年に製造され、クラッチで変速する機械式として唯一の現存車両。気動車が重文に指定されるのは初めてで、九州鉄道記念館(北九州市)で公開されている。

 乗り合いバスは、1930年に旧鉄道省が初めて岡崎(愛知県)-多治見(岐阜県)間などで運行させた車両。最初に導入された7台のうち唯一現存し、リニア・鉄道館(名古屋市)で公開されている。

 また、2019年5月まで約130年にわたり日本国内の「1キログラム」の基準となっていた合金製の分銅「キログラム原器」などが、重文に指定済みの「メートル原器」などの「メートル条約並度量衡法関係原器」に追加された。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が所蔵している。

 重要文化財に新規指定されるのは次の通り(かっこ内は所有者)。

 【彫刻】

 十一面観音立像(百済寺、滋賀県東近江市)▽弥勒菩薩座像(西大寺、奈良市)▽金剛力士立像(石手寺、松山市)

 【古文書】

 多賀城跡出土漆紙文書(宮城県)

 【歴史資料】

 鉄道省営乗合自動車(JR東海)▽ゐのくち渦巻ポンプ(明治村)▽キハ42055号気動車(キハ07形41号気動車)(JR九州)