欧米諸国、貧困層支援へ「現金空輸」を検討


アフガンの飢餓深刻化で、タリバンに関与させず配布へ

欧米諸国、貧困層支援へ「現金空輸」を検討

世界食糧計画(WFP)による現金支給を待つアフガニスタンの人々=6月21日、ヘラート(EPA時事)

 イスラム主義組織タリバンが実権を掌握したアフガニスタンで生活苦にあえぐ貧困層支援のため、現金を空輸し、タリバンを通さずに人々に直接配る計画が欧米諸国の間で極秘に検討されている。複数の当局者がロイター通信に明らかにした。

 アフガンではタリバン政権発足後、市中に流通する現金が枯渇し経済が崩壊の瀬戸際にある。市民は食料を買うために持ち物を売るなどしており、今回の支援策は人道危機を回避するのが目的。計画では、タリバンの同意を得つつも関与させずに現金を首都カブールに空輸し、銀行経由で200ドル未満の給付金を貧困層に配布する。

 国連はアフガンで1400万人が飢餓に直面していると警告している。世界食糧計画(WFP)の駐アフガン代表マッグローティ氏は「子供に食べさせるため多くの親たちが食事を我慢している」と事態の深刻さを強調した。(ブリュッセル、フランクフルト、ワシントン・ロイター時事)