映画「人生の運転手~明るい未来に進む路~」


恨まず、明るく、前向きに 10月1日より順次公開

映画「人生の運転手~明るい未来に進む路~」

恋人も仕事も失ったソックは、心機一転バス運転手となる©2020 Media Asia Film Production Limited. All Rights Reserved

 本作が日本での初の劇場公開となるパトリック・コン監督・脚本の香港映画。

 ソック(イヴァナ・ウォン)は恋人のジーコウ(エドモンド・リョン)が社長を務めるチリソース店「陳三益」で働き、彼を支えることを生き甲斐(がい)にしていた。ある日、中国の会社からケイケイ(ジャッキー・ツァイ)と名乗る美女が現れ、店に取引を持ち掛ける。ソックは断るが、やり手のケイケイに根負けし、取引することに。

 ケイケイと中国出張に出掛けることが増え、次第に冷たくなるジーコウに対し不安を募らせていたソックだが、二人の記念日の日、ついにケイケイとジーコウの浮気現場を目撃してしまう。

 やがてケイケイ、ジーコウの二人は結婚。恋人と仕事を同時に失ったソックは、バス運転手のバン(ボブ・ラム)に掛けられた言葉を思い出し、彼が働くバス会社に向かった。チリソースの配達のために取得したはずの大型免許が役立ち、ソックはバス運転手となる。しかしその時には、バンは妻の看病のため退職していた。

 前に進もうとしていたソックの元に、ケイケイに騙(だま)され妻と全財産を失った男レイ・ザンマン(フィリップ・キョン)が復讐(ふくしゅう)への協力を依頼しに来る。ソックは気乗りせず「くだらない」と一蹴も、店を解雇された元同僚たちのため、復讐の計画に加わるのだった。

 理不尽な目に遭っても決して恨み言を口にしないソック。終盤でケイケイを陥れ復讐を果たしたレイ・ザンマンも、「想像してたよりうれしいもんじゃない」とこぼす。最初から最後まで、前向きなソックの笑顔に励まされるはずだ。主人公を取り巻くキャストはもちろん、名前の出て来ないバスの乗客まで登場人物一人ひとりが個性的なキャラクターで、上映時間を通じて飽きさせない。

 ソックを演じるのは、シンガーソングライターのイヴァナ・ウォン。役作りのために大型免許を取得した、ソックに負けないパワフルな女性だ。10月1日よりシネマカリテほか全国順次公開。

(辻本奈緒子)