東証終値が3万円割れ、「恒大不安」波及を懸念
2週間ぶりの安値も、金融危機を否定する見方広まる
21日の東京株式市場で、日経平均株価は7日以来2週間ぶりに3万円を割り込んで取引を終えた。中国の不動産開発大手、中国恒大集団の経営危機が中国経済に大きな影響を及ぼすとの懸念から幅広い銘柄が売られた。終値は、前週末比660円34銭安(2・2%安)の2万9839円71銭。
東京市場が3連休中だった20日、香港市場では「恒大不安」からハンセン指数が3・3%安となり、欧米市場でも英FT100種平均株価指数が0・9%安、米ダウ工業株30種平均が1・8%安と、株安が連鎖した。外国為替市場で一時円高・ドル安が進んだこともあり、21日の東京株は取引開始直後から全面安の展開となった。
日経平均は、菅義偉首相が退陣の意向を表明した今月3日以降、急ピッチで上昇。終値は、表明前日の2日から前週末までに約2000円値上がりしており、高値警戒感が強まっていたことも売り要因となった。
ただ、21日の香港株にはいったん持ち直しの動きも見え、市場では「世界的な金融危機には発展しないとの見方が広がった」(大手証券)という。新型コロナウイルスの新規感染者数の減少を背景に、旅行需要の回復期待から航空大手や鉄道の株価は堅調で、日経平均が下げ幅を縮める場面もあった。