パリのイダルゴ市長、仏大統領選出馬を表明
オリパラの閉会式に登場、マクロン氏の対抗馬となるか
仏パリのアンヌ・イダルゴ市長(62)が12日、来年4月に予定される大統領選に野党左派・社会党候補として出馬することを表明した。イダルゴ氏は8月、東京五輪とパラリンピックの閉会式に登場し、次回2024年の五輪・パラリンピックの引き継ぎを行った。社会党が大統領選に向け、候補者選びに苦戦する中、高い知名度を持つイダルゴ氏が社会党以外の左派勢力の糾合に貢献できるとの見方も強い。
与党中道の共和国前進は過半数を割り込み劣勢にあり、マクロン大統領再選も安泰とは言えない。左派にとっては、マクロン氏への強力な対抗馬となる可能性もある。イダルゴ氏は社会党のドラノエ前市長同様、環境問題に熱心で、出馬表明で化石燃料から再生可能エネルギーへ移行する「脱炭素5カ年計画」構想を公約に掲げた。
今のところ世論調査では、前回2017年の大統領選同様、決選投票に残るのはマクロン氏と右派政党・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン党首とみられている。
6日付の仏日刊紙ル・フィガロの公表した世論調査では、第1回投票でのマクロン氏とルペン氏の得票率は24%程度と見込まれ、イダルゴ氏は7~9%にとどまっている。今後、左派が結集してイダルゴ氏を推せば、状況は変わる可能性もある。2014年に女性初のパリ市長に就任したイダルゴ氏は、スペイン生まれで2歳の時にフランコ政権に反対しフランスに家族と共に逃げた経緯を持つ。政治家としては市政で実績があるものの未知数と言われている。(パリ安倍雅信)