山口・防府北に「第2宇宙作戦隊」を新設へ
防衛省が方針固める、日本の人工衛星への妨害行為を監視
防衛省は、日本の人工衛星への妨害行為を監視する「第2宇宙作戦隊」を、2022年度中に航空自衛隊防府北基地(山口県防府市)に新設する方針を固めた。複数の関係者が11日明らかにした。新たな戦闘領域として注目される宇宙分野で米国や中国が先行する中、日本も後れを取らないよう体制整備を急ぐ。
第2作戦隊の設置は、8月に公表された22年度予算概算要求に盛り込まれた。その後、日本上空の人工衛星監視に適しているとして、20人規模の部隊を防府北基地に置く方向となった。衛星と地上の通信を妨害する電波の出どころや特性を調べる任務を担う。
防衛省は、20年5月に自衛隊初の宇宙領域専門部隊として、人工衛星の脅威となる宇宙ごみ(スペースデブリ)などを常時監視する「宇宙作戦隊」を空自府中基地(東京都府中市)に設置。今年度には、部隊の指揮や訓練を行う「宇宙作戦指揮所運用隊」を同基地に置くことを想定し、作戦隊などと合わせて「宇宙作戦群」とする方針だ。
22年度には、府中基地の作戦隊を「第1宇宙作戦隊」に改編した上で、関連装備を維持・管理する約10人の「宇宙システム管理隊」も置き、第2作戦隊を含む作戦群全体で120人程度に増やす。作戦群は、レーダーや人工衛星を運用する宇宙状況監視(SSA)システムの運用が始まる23年度に本格稼働を予定。26年度までにSSA衛星の打ち上げを目指している。