ミャンマー選手を難民認定、安堵の表情を見せる
W杯アジア2次予選のため来日、「不安の日々、今は安定」
サッカー・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のため来日し、帰国を拒んで難民認定を申請していた元ミャンマー代表のピエ・リアン・アウン選手(25)が20日、大阪市内で記者会見し、難民に認められたと明らかにした。「これからの人生がどうなるか不安の日々だったが、今は安定している」と安堵(あんど)の表情で話した。
同選手は20日午前、支援してきた空野佳弘弁護士と共に大阪出入国在留管理局を訪問。難民認定証明書と在留カードを受け取った。
同選手は現在、横浜市に拠点を置くフットサルチーム「YSCC横浜フットサル」の練習生として活動している。「グラウンドにいるのが一番幸せだ」と話し、今後はアルバイトをしながらプロのフットサル選手を目指すという。
母国の政情については、「毎日ニュースでデモの死者が増えているのを見て心が痛い。平和に戻ってほしい」と語った。
同選手は5月末の日本戦で「3本指」を掲げ、クーデターを起こしたミャンマーの国軍に対する抗議を示した。6月中旬、選手団と共に関西空港へ到着したが、支援者の助けで日本に残留。その後、帰国すれば命に危険があるとして、難民申請した。
法務省は国軍のクーデターを受け、ミャンマー人の難民認定の申請を迅速に審査する緊急避難措置を5月から実施。空野弁護士は「他の在日ミャンマー人も帰国すれば迫害に遭う恐れがある」と指摘した。