米、マスク・ワクチンの「義務化」が広がる


デルタ株拡散に伴う新規感染者の増加を受け、反発の声も

米、マスク・ワクチンの「義務化」が広がる

27日、ニューヨークでマスクを着用する人々(EPA時事)

 米国内で新型コロナウイルスの感染防止策として、職員や従業員らにワクチン接種や屋内でのマスク着用を義務付ける動きが広がっている。デルタ株拡散に伴う新規感染者の増加を受けた措置だが「義務化」に反発する声も上がっている。

 ロイター通信によると、ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)は27日夜、感染リスクが「高い」ないし「かなり高い」とされる地域にある連邦機関に対し「職員や請負業者、来訪者ら全員に、ワクチン接種の有無にかかわらず庁舎内でのマスク着用」を義務付けるよう指示した。首都ワシントンも対象で、ワクチン未接種の場合はマスクに加えて、対人距離の確保を求めている。

 国防総省や国土安全保障省も28日、職員らに施設内でのマスク着用を指示。ホワイトハウスに出入りする報道陣にも、施設内でマスクを着けるよう求めた。

 マスクに加え、ワクチン接種を義務付ける動きも広がっている。ニューヨーク市などは、職員のワクチン接種または定期的な感染検査を義務化。CNNテレビによれば、バイデン大統領は連邦機関職員の接種を義務付ける方針だ。

 民間企業では米グーグルが28日、オフィスへの出社再開を従来予定の9月から10月18日に延期するとともに、出社に際し従業員にワクチン接種を指示。ワシントン・ポスト紙も記者を含む全従業員に、9月半ばまでにワクチンを接種するよう義務付けた。(ワシントン時事)