南太平洋の島国サモア、初の女性首相が始動
中国寄りの政権から移行、港湾開発など対中関係に変化も
南太平洋の島国サモアで27日、フィアメ・ナオミ・マタアファ氏を初の女性首相とする新内閣が正式に発足した。同国では4月の総選挙後も中国寄りの前首相が居座り、政治混乱が続いていた。対中関係が変化する可能性も出ている。
総選挙はフィアメ氏率いるFAST党が小差で勝利したが、首相だったツイラエパ氏が敗北を認めなかった。裁判所は今月23日、フィアメ氏らが5月に行った就任宣誓を「有効」と認定。これを受けてサモアと関係が深いオーストラリア、ニュージーランド両国首相も円滑な政権移行を求めた。
サモアはツイラエパ氏が中国寄りで、22年間の首相在任期間に多額の対中債務を抱えた。フィアメ氏は、1億ドル(約110億円)と巨額に上る中国支援の港湾開発は人口約20万人と小国のサモアにとって過剰だとして、この開発を棚上げする方針を示している。(シドニー時事)