ノルディック複合の渡部暁斗選手に銀メダル
「涙が出るほどうれしい」、地元長野県白馬村が熱狂
ソチ五輪ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルに出場した渡部暁斗選手の地元、長野県白馬村の役場ホールには12日夜、村民約120人が集まり、競技を見守った。銀メダルを獲得すると、会場からは大きな歓声が湧き、「涙が出るほどうれしい」と喜びを分かち合った。
前半飛躍で2位につけ、村民らは手を握り合って喜んだ。後半距離では、「一気に行け!逃げろ」と大きな声援。ドイツのエリック・フレンツェル選手と抜きつ抜かれつの激しい展開に、「暁斗頼む」と悲鳴に似た声が上がり、両手を握り締めて祈るように応援する女性も。
最終盤、「ラストだぞ、大丈夫だ、暁斗行け!」と懸命の声援が飛ぶ。ゴールすると、多くの村民が旗を振って歓声を上げ、喜びを表した。
渡部選手と幼なじみの小田佳奈里さん(25)は「感動をありがとうと言いたい」とうれし涙を流した。15位に入った弟の善斗選手にも触れ、「2人が荻原健司・次晴兄弟のようなスター選手になってほしい」と話した。
渡部選手を指導したことがある県スキー連盟理事の太田文仁さん(46)は「小学生のころからバランスの良いジャンプをしていた」と振り返る。「善斗には暁斗の背中を追いかけて追い越してほしい」と満面の笑みで語った。
渡部選手が所属する長野市の北野建設本社でも、そろいの法被を着た社員約80人が笛や太鼓の音に合わせて「アキトー!アキトー!」と声援を送った。応援団長役の糸田健一さん(48)は「よく銀メダルを取ってくれた。会社の誇り、日本の誇りです。ありがとう」と興奮した様子で話した。