新型コロナとの闘い 「日常」見詰め直す契機に


 「今度ほど、ひとの心遣いがありがたいと思ったことはない」

 東日本大震災から1カ月半経った大型連休。宮城県の被災地を訪ねた筆者に、被災した姉の言葉だ。姉家族は、自宅と家族で経営する水産加工場が津波の被害を受け、中学校の体育館での避難生活を余儀なくされていた。

 次男の嫁は、小学校に息子を迎えに行き、校舎から出た直後に津波が襲い、母子で慌てて校舎3階に逃げ戻って難を逃れた。しかし、避難先となった学校の体育館には、肉親を失い絶望の淵にある人も少なくなかった。


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