震災5年「復興願う」、天皇陛下が新年の御感想


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天皇陛下御一家は新年を迎えられた=2015年11月15日、皇居・御所(宮内庁提供)


 天皇陛下御一家は1日、新年を迎えられた。天皇陛下は年頭に当たっての御感想を宮内庁を通じ文書で発表。東日本大震災から間もなく5年の節目となることに触れ、避難生活を送る人々を案じ、「寒さの厳しい冬を健康に十分気を付けて過ごされるよう、そして、被災地域の復興が少しでもはかどるよう、願っています」とつづられた。

 戦後70年の節目だった昨年を「多くの人々が先の戦争に思いを致した一年でした」と回想し、「新年を迎え、改めて国と人々の平安を祈念します」と記された。また、日本が災害を受けやすい環境にあるとして、「今年も日本人一人ひとりが防災の心を培うとともに、お互いが気を付け合って、身を守る努力を続けられることを心より希望しています」とされた。

 天皇、皇后両陛下は1月26~30日、太平洋戦争の激戦地だったフィリピンを公式訪問される。同国訪問は皇太子殿下御夫妻時代の1962年以来で、即位後は初となる。今年は同国との国交正常化60周年に当たり、友好親善を主目的とした御訪問だが、両陛下の意向で日本政府が建立した「比島戦没者の碑」を訪れ、フィリピン側戦没者の慰霊も予定されている。戦後70年の節目だった昨年のパラオに続く、外国での「慰霊の旅」となる。

 毎年恒例の地方御訪問としては、6月に長野県で全国植樹祭、9月に山形県で全国豊かな海づくり大会、10月に岩手県で国民体育大会がある。震災後初めて東北3県で開催される国体となる。

 天皇陛下は2012年の心臓のバイパス手術後、大きな健康上の問題はないが、昨年12月の記者会見で、年齢を感じることも多くなったと述べられた。皇后陛下は昨年、心筋虚血の症状が確認され、強いストレスなどが要因とされた。宮内庁は、公務自体の削減は両陛下の御意向もあって難しいが、公務の時間短縮などの見直しを図り、私的旅行や静養の機会を増やすことも検討するとしている。