両陛下、被爆者と御懇談


長崎市の原爆落下中心地碑に供花

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天皇、皇后両陛下は恵の丘長崎原爆ホームの入所者と懇談された=11日午後、長崎市

 第69回国民体育大会総合開会式出席などのため長崎県入りした天皇、皇后両陛下は11日午後、来年の戦後70年を前に長崎市の平和公園を訪れ、「原爆落下中心地碑」に供花された。被爆者が入所する老人ホームも訪れ、懇談された。

 午後3時ごろ平和公園に到着した両陛下は、犠牲者の慰霊のため原爆が投下された地点に設置された碑の前に白菊の花を手向け、深々と頭を下げられた。その後、同市内にある被爆者のための老人ホーム「恵の丘長崎原爆ホーム」で入所者10人と御懇談。天皇陛下が「原爆投下のときはどこに」とお声を掛け、皇后陛下が「お体の具合はいかがですか」などと質問されると、涙ぐんだり手を合わせたりする人もいた。被爆体験を伝える演劇活動をしている車椅子の女性(98)に、天皇陛下は「大事なことですね。世代が替わると昔のことが分からなくなってくる」と話されていた。

 1995年に戦後50年の「慰霊の旅」で両陛下が訪れられた際にも会ったという延田シヅエさん(95)は「長生きしてまたお会いできてよかった」と感激していた。