両陛下、宮城の療養所御訪問


ハンセン病施設一巡

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天皇、皇后両陛下は国立ハンセン病療養所「東北新生園」の入所者と懇談された=22日午後、宮城県登米市

 宮城県訪問中の天皇、皇后両陛下は22日午後、登米市の国立ハンセン病療養所「東北新生園」を訪れ、入所者と懇談された。全国計14カ所(国立13、私立1)の療養所のうち、皇太子夫妻時代から通算13カ所目の御訪問。

 残る大島青松園(高松市)は小さな島にあり、訪問が難しいが、入所者と2004年、高松市内で懇談された。宮内庁幹部は「全国の療養所訪問は実質的に一巡した」と話している。

 東北新生園は1939年開設。現在87人の入所者がおり、平均年齢84・3歳。両陛下は、亡くなった入所者の遺骨が納められた霊安堂の供花台に白菊を供え、一礼された。続いて入所者14人と懇談された。

 天皇陛下が入所者の手を握り、「随分長くおられたんですね。お体の方は」などと気遣われると、入所者は涙ぐんだ。皇后陛下も手を取り、床に膝を突いて御懇談。「差別や偏見の時代もありました」と話す入所者を「大変でしたね」といたわられた。

 入所者自治会会長の久保瑛二さん(81)は「霊安堂にお参りしていただき、亡くなった入所者の霊が少しでも慰められたと感じました」と話した。

 両陛下はその後、南三陸町入りし、多数の町職員らが犠牲となった防災庁舎を車内から御覧になった。