「静」お題に皇居で歌会始
新年恒例の宮中行事「歌会始の儀」が15日午前、皇居・宮殿「松の間」で行われた。今年のお題は「静」。天皇、皇后両陛下や皇族方のほか、天皇陛下から招かれた召人(めしうど)、選者、2万1680首の一般応募の中から選ばれた入選者10人の歌が古式にのっとった独特の節回しで披露された。
天皇陛下は昨年10月に初めて熊本県水俣市を御訪問、水俣病慰霊碑に供花した際に見た海の情景を詠まれた。
皇后陛下は、伊勢神宮の式年遷宮で臨時祭主を務めた長女黒田清子さん(44)が、遷宮間近の昨年9月にあいさつに訪れたときの様子を歌にされた。
皇太子殿下は新嘗祭の際、静まりかえった皇居・神嘉殿で、外から聞こえた神楽の音色を、同妃殿下は昨年11月に東日本大震災の被災地見舞いで岩手県釜石市を訪問された際の釜石湾の様子をそれぞれ詠まれた。
天皇陛下
慰霊碑の先に広がる水俣の
海青くして静かなりけり
皇后陛下
み遷(うつ)りの近き宮居に仕ふると
瞳(ひとみ)静かに娘(こ)は言ひて発(た)つ