子宮頸がんワクチン 大和市議会が意見書可決
国は接種中止と被害調査を
請願書受けて初めて
厚生労働省専門部会が、子宮頸がんワクチンの積極的接種呼びかけを中止し混乱が広がる中、神奈川県大和市議会は25日、国に子宮頸がんワクチン接種の一時中止と早急な被害調査開始を求める意見書を19対8の大差で可決した。
意見書は、同様の趣旨を盛り込んだ市民の請願書を受け、公明・共産党を除く全会派の代表6人が提出者、賛成者に名を連ねて作成したもの。
国に接種の一時中止を求める意見書は、すでに埼玉県の嵐山町、八潮市の各議会で可決されているが、被害者の追跡調査を盛り込み、請願書を受けた意見書の形で可決されたのは初めて。
意見書は、(1)同ワクチンを既に接種した者の健康被害状況を速やかに追跡調査し重篤健康被害者の早期発見と救済体制をとる(2)こうした被害をこれ以上拡大させないために、子供たちへの子宮頸がんワクチン接種は、一時中止を含む速やかな接種の抜本的見直しを行う――の2点を国に対して求めている。
大和市に同ワクチンの接種の一時中止を求める陳情書も採決され「厚労省の決定は、今後、ワクチンの弊害が明確になったとき市に責任を押し付けるもの」(山本光宏市議、みんなの党)「これ以上、不安を広げないためにも自治体で一時中止すべきだ」(河崎民子市議、神奈川ネットワーク運動)との賛成討論が行われた。
市長系会派と一部自民党市議が反対に回り、14対13の1票差で否決された。
大和市・厚生常任委員会が6日、同陳情書を採決した際は、「賛成したいが法的に無理がある」との意見が相次ぎ賛成者はいなかった。
4月からの法定接種化で地方自治体が接種対象者に積極的勧奨を行う義務があったためだが、厚労省の決定で地方自治体の姿勢に大きな変化が生まれている。
東京・町田市や杉並区では今週後半、同様の意見書や陳情書の採決が行われるが、大和市の表決が少なからぬ影響を与えるものとみられる。