祝日の意義
先週の日曜日のことだ。仕事の関係で外出中の筆者に妻からメールが届いた。「今日、何の日か知ってますか? いい夫婦の日なんですって」。11月22日がその語呂合わせでいい夫婦の日ということは知っていたので、「もちろん知っているけど、今日とは知らなかった」と簡単に返事した。とはいえ、そういわれると何となく手ぶらでは帰りにくいので、妻や子供が喜びそうな手土産を買って帰る羽目になった。
この手の(記念)日は11月だけをみてもたくさんある。いい風呂の日(26日)、いいトイレの日(10日)、ワン、ワン、ワン(111)となる犬の日(1日)などもあれば、11日は「+-+-」となるので電池の日なのだという。
歴史的な由来をもった日ももちろんある。11月だと1日が灯台記念日で、1868年に観音崎灯台の起工式があった日だ。徳川幕府の8代将軍吉宗が江戸城内で将棋大会を開いた17日は将棋の日となっている。
ちなみに友人の誕生日だったのでよく覚えている時の記念日(6月10日)は、なんと天智天皇が初めて設置した水時計『漏刻』が時を刻み、鐘を打った日に由来するという。古代と現在の時をつなぐ時の記念日というのはロマンがあっていいが、残念ながら、小学校の時にはそこまで教えてくれなかった。
これらは市井の記念日だが、「国民がこぞって祝い、感謝し、または記念する日」として法律で定められたのが「国民の祝日」だ。それぞれに立派な背景があるが、いまだにどうしてもなじめないのが「ハッピーマンデー」制度だ。
東京五輪の開会式が行われた10月10日だから体育の日の意義があるのであって「10月の第2月曜日」の意義をどう子供たちに教えるのか。祝日の意義より休暇を楽しむことを優先することが、本当に「豊かでゆとりのある生活」となるのか、悩んでしまうのだ。(武)