学習困難者のための塾
5月4日付教育面で紹介した「発達障害」専門の塾講師・福嶋和幸さんに再び会った。「SUNDAY世界日報」に転載された記事を読んで、彼の塾を訪ねた読者もいるそうだ。そのお子さんが勉強好きになってくれれば、と願う。
塾に通う子供と保護者の感想文を見せてもらった。「5科目で70点以上も上がっていてとてもびっくりしました。数学は30点も上がりました。またがんばりたいです」「全く分からなかった『垂直二等分線』が分かるようになりました!!」「テストで0点だったけどはじめて算数で100点とれてうれしかった」
感想文には、福嶋さんと並んで撮った笑顔の写真が添えてあった。そんな中で、特に印象的な文があった。
「まえはできなかったさくぶんがたくさんかけるようになった。できるようになってうれしかった。おかあさんがよろこんでうれしかった」
たどたどしい文字から、小学生に違いない。子供にとって一番嬉(うれ)しいのは、親が喜んでくれることだということが伝わってくる。
福嶋さんが指導に取り入れる「勉強の技術」は、「失語症」と診断された俳優のトム・クルーズ氏が頼ったことで知られている。詳しく説明する紙幅はないが、学習の障害になっているのは①誤解語②マスの欠如③段階の飛び越しの三つで、それを取り除くことが学習能力のアップにつながるという。
学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)など発達障害と診断されると、諦める保護者が少なくないが、「この問題は解決できるというところから入っていきます」という福嶋さんの言葉を思い出す。「先生のおっしゃられた事、いちいち納得し、ぜひ息子をお願いしたいと感じました。ずっと暗闇だった中に、一筋の光を見出した思いです」という保護者の感想文もあった。(森)