聖母マリア再臨40周年ーオーストリアから
地球だより
ボスニア・ヘルツェゴビナのメジュゴリエで聖母マリアが再臨してから6月24日で40年を迎えた。首都サラエボから西約50㌔のメジュゴリエでは1981年6月、6人の子供に聖母マリアが再臨し、3歳の不具の幼児が完全に癒されるなど、数多くの奇跡がその後も起きた。毎年多くの巡礼者が世界各地から同地を訪れている。
現地からの情報によると、40周年記念イベントには358人の神父、国内外から数千人の信者が集まった。
カトリック信者にとって聖母マリア再臨の巡礼地といえば、ポルトガルの「ファティマの預言」(1917年)やフランス南部の小村ルルド(1858年)がよく知られてきた。メジュゴリエの聖母マリア再臨地でも過去、数多くの奇跡が伝えられてきたが、バチカンは巡礼地として公式に認知することを避けてきた。
前教皇ベネディクト16世は2008年7月、「メジュゴリエ聖母マリア再臨真偽調査委員会」を設置。枢機卿、司教、専門家13人で構成された同委員会が10年に調査を開始した。バチカンは19年5月、メジュゴリエへの巡礼を承認したが、聖母マリア再臨現象の真偽については依然、結論を下していない。
新型コロナウイルスが欧州、バルカン地域で感染拡大して以来、外国から訪れる巡礼者は途絶えたが、その間も近隣に住む人々が定期的に再臨地を訪れている。信者だけではなく、多くの人々が自身の救い、家族・親族の病の癒しのために巡礼地を訪れ、奇跡を願い祈りをささげている。最近は、若い世代の姿が増えてきたという。
(O)