拓殖大学客員研究員（元韓国国防省北朝鮮分析官)　高永喆氏

class=”alignright wp-image-22067″ title=”拓殖大学客員研究員（元韓国国防省北朝鮮分析官)　高永喆氏” alt=””高永喆”

　北朝鮮は予想を超えて昨日12時29分、豊渓里地下核実験場で震度５・７規模の第６次核実験を強行した。日本では震度６・１を測定しており、米国地質調査局では地震６・３を測定した。昨年は震度５・３で11キロトンの爆発力だったが今回は長崎級21キロトン規模を上回ると推定される。北は水素爆弾実験だと言うが２０１５年、第４次核実験で試みた増爆水素弾であると考えられる。金正恩の火遊び冒険が危険水位に向かっている。

　今回、北朝鮮の危険な核実験は中国にとってレッドラインを超えた挑発になりかねない。金正恩は親中派の張成沢(叔父)と中国が保護した金正男(兄)を殺したことがある。さらに中国全都市が北弾道ミサイル射程に入っているため、中国の怒りが現れる時期に近づいている。

　来月18日、中国共産党大会で党序列３位、５位、７位の親北・江沢民派は石油閥だから３人が更迭されたら中国の対北石油禁輸の可能性が高まる。中国の対北石油禁輸が実行されたら北朝鮮は核放棄や凍結の譲歩路線に出る可能性がある。

　しかし、正面突破・瀬戸際外交の先例に照らして見れば、大陸間弾道弾（ＩＣＢＭ）や潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）発射に踏み切る可能性を否定できない。坊ちゃんの火遊び冒険は逆に体制崩壊を招く危険性を抱えている。

（敬称略）