JSC、新国立競技場建設の提案書2案を審議
技術審査委員会が点数評価、今週中にも最終決定
2020年東京五輪・パラリンピックでメーン会場となる新国立競技場建設に向け、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は19日、建築家らによる技術審査委員会(委員長・村上周三東大名誉教授)を開き、設計・施工業者から提出された技術提案書2案を審議した。JSCは審査委による点数評価の結果を踏まえ、今週中にもどちらの案を選ぶか最終決定する。
審査委は大学教授ら7人で構成。事業費や工期、維持管理費、ユニバーサルデザイン、日本らしさや環境への配慮を基準に各委員が140点満点で点数化する。点数評価に先立ち、技術提案書を提出した事業者からヒアリングを行った。
提出された2案のうち、A案は「木と緑のスタジアム」をコンセプトに打ち出し、建設費は約1490億円。一方、B案は「新しい伝統」の創出を強調し、建設費は約1497億円。工期は2案とも19年11月末としている。
公正な審議を行うため業者名は公表していないが、A案は建築家隈研吾氏と大成建設などのグループ、B案は建築家伊東豊雄氏と竹中工務店、清水建設、大林組3社などのグループが提案したとみられる。
審査委の結果や競技団体からの意見を踏まえ、大東和美JSC理事長が望ましい案を判断。22日にも開かれる政府の関係閣僚会議に報告し、今週中にも最終決定する。